2013年09月02日 世界戦へ向けてのインタビュー、中島平八&国崇!

キックボクシング ムエタイ ニュージャパンキックボクシング連盟 NJKF。2013年09月02日のニュースです。

2013年09月02日ニュース

世界戦へ向けてのインタビュー、中島平八&国崇!

09月15日に開催される『NJKF 2013 5th』(大阪・高石市民文化会館アプラホール)では、中嶋平八(誠至会)がISKA世界フェザー級王座決定戦、国崇(拳之会)がISKA世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦に挑戦する。
前戦はともに黒星となってしまった両者だが、中嶋は敗因を明確にとらえ、国崇もすでに心身の切り替えを済ませている。大一番を前に、それぞれが心境を語った。

中島平八 

――直前の試合となった07月28日の[HEAT 27』では残念ながらチャオ志村に判定で敗れてしまいました。
中嶋 『久しぶりの試合(※NJKFフェザー級王座を防衛した12年10月の笹羅歩戦以来の試合だった)ということで戦い方を忘れていたというか、試合の感覚が練習でもあまりできていなかったですし、負けてしまったんですけど色々なことが勉強になる試合でした。』

 

――すでに練習の時から感覚の戻りがよくなかったのですか?
中嶋 『体は動くし体力もあったんですけど、大学のテストと重なったりしてスパーリングがそんなにできていなくて、試合の感覚というのがあまり練習できていなかったと思います。』

 

――“試合の感覚”というのは具体的にはどういったことを言うのですか?
中嶋 『やっぱり実際対峙した時“何をすればいいのか”っていうのがパッと浮かばないんです。それで1R目にダウンを獲られた後も、どうやって攻めたらいいのか、そういうリカバリーも浮かばないまま、ただ単に攻撃する・防御するっていう形になってしまって、あまりフェイントとかも使えず、なかなか自分のいい形で試合をすることができなかったっていうのがありました。』

 

――以前は対峙した時に、そういうひらめきや考えが自然に浮かんできていたと。
中嶋 『はい。だから07月の試合もそういう感覚でできるのかなと思ったんですけど、緊張とかもあったりしてなかなか上手いことできなかったっていうのがありました。自分ではできると思っていたんですけど、実際出た時にはできなかったっていう感じです。』

 

――苦い経験を経て、今回の試合は大丈夫ですか?
中嶋 『今は大学も夏休みで時間があるので、スパーリングも多く取り入れてやってます。スパーはジムでやったり出稽古で及川道場に行ってやったりして、強めのマスで回してもらってやっています。前回の試合は負けてはしまったんですけど世界王座を獲るためにいい材料というか、いい経験になったと思います。今は調子もよくてだいぶ体力もついてきています。』

 

――対戦相手は当初のデビット・マッキントッシュからマシュー・ティーウに変更となりました。
中嶋 『調べても動画が出てこないんですよね。だから怖さもあるんですけど、無かったら無かったでもう仕方がないので、戦い方や自分の形の精度を高めていくしかないのかなと思います。動画とかがあれば考えて、それに対して対策を練ったりできるんですけど、それも今回はできないのかなと思っています。』

 

――中嶋選手は普段はそうした研究や対策を綿密にするタイプなのですか?
中嶋 『これまではあまりそういうことはしなかったんですけど、やっぱり大きい試合になると観ますし、そういうのもやっておかないとダメだなっていうのを前の試合をやってから思いました。でも今回はできないので、そういう時はどうやってやるのかが難しいですけど、自分の形へ持っていけるようマスとかいろいろやって経験を増やして、しっかり対応できるよう練習しておくしかないと思います。』

 

――世界王座の懸かった大一番を前に、どんな心境か最後に教えてください。
中嶋 『こういう試合をせっかく組んでもらったので負ける訳にはいかないっていう感じです。またとないチャンスなので、絶対獲るぞっていう気持ちです。まだ上には上がいるのでこれを獲って1つずつ上に上がっていきたいと思います。』

 

国崇 

――残念な結果となってしまった02月のラジャダムナン王者カイムックダム・エークバンサイ戦(国崇の2RKO負け)以来の試合となります。
国崇 『完全にやられたなっていう感じでした。1Rは自分的にも動けていて、2Rが始まっても動けていたと思うんですけど、ああいうことになってしまって……。』

 

――狙っていたボディも初回から決まり、悪くない立ち上がりに見えました。
国崇 『ボディは課題というか狙っていたポイントだったので序盤から出していって、ミドルからハイに変更する蹴りも想定していたんですけど、やっぱりラジャ王者ということでそこが一枚も二枚も上手だったなと思います。』

 

――決め手となった右ヒザ蹴りを受けてしまった原因はどう分析していますか?
国崇 『跳んでミドルキックみたいにしてくるのは前回もやられていたので、カイムックダムがどう意識して蹴ったのか、ミドルを蹴ろうと思って蹴ったのか、跳び込んでヒザ蹴りを蹴ろうと思って蹴ったのか分かりません。こっちが聞きたいぐらいです(苦笑)。』

 

――では、予期せぬ感じで跳んで来たと。
国崇 『そうですね……こっちも正面で受けたっていうのもありました。』

 

――負傷の疑いも伝えられましたが、大丈夫でしたか?
国崇 『アバラが1本ポッキリ折れて、その1個上はヒビが入って、肺に傷が入って破れ、気胸の状態になったらしいです。それから2週間ぐらいずっと患ってました。』

 

――相当な重傷だったのですね…。そこから気持ちと体を立て直すのはだいぶ難しかったのではないですか。
国崇 『気持ちの切り替えはもう全然できていて、次の目標に向かっています。練習も春が過ぎて05、06月頃から再開しました。』

 

――精神的に尾を引きそうな敗戦でしたが、影響はないでしょうか。
国崇 『骨折とか大きいケガはこれまでなくて、練習もこんなに長く休んだのは初めてだったので、いいリフレッシュになりました。いい反省になったし、反省する期間も長くて、まぁ次の試合へ向けてのいい充電になったかなって自分の中では思っています。』

 

――あの敗戦を突きつけられてそう言えるまで戻ってきた、国崇選手の強さを感じます。
国崇 『引退する訳ではないし、その気もサラサラないので、このままヘコんでいてももったいないですから。』

 

――今回の対戦相手、パトリック・カータ(イタリア)に関してはいかがですか?
国崇 『映像は2試合ぐらい見ました。オールラウンドに動ける選手で前に押してくる感じ、割と組んでくるタイプかなとは思います。』

 

――練習の手応えと自信のほどはいかがでしょう。
国崇 『練習はいつも通り追い込んでやっていて、パンチも結構荒く振ってくる選手なのでいい試合にはなると思います。いつも通りKOを狙っていく試合は間違いないです。』

 

――前回の試合を経て変えたことはありますか?
国崇 『細かいことですけど、自分は蹴り足をキャッチして何かしようっていうのが多いんです。蹴り足をキャッチしてそのままパンチに繋ぐとか。でもああいうのはしっかりカットしないといけないなとか、そういう細かい技術的な反省はたくさんあります。』

 

――集大成と意気込んだ一番で大きな負傷を負っての敗戦でしたから、国崇選手はこのまま終わってしまうのではとも思いました。
国崇 『普通の選手だったらあのままフェードアウトするんじゃないかと思ったんですけど、それは自分らしくないなと思って。若手が頑張っているから、僕みたいな年の選手もたまには頑張らないと。引退する気は全然なかったんですけど、ずっと休んでいて大丈夫かなとか不安なところはありました。でも練習を再開して、 “帰ってきたな”っていう感じがあったし、最初は動けなかったけど段々体もついてきたので、まだまだ行けるなと思っています。』

 

――復帰戦ともなる今回の試合へ向けての意気込みを最後にお願いします。
国崇 『自分の試合は暫定王座で来年の春ぐらいに相手のホームで統一戦をやる予定と聞いています。今はスパーリングを中心にやっていてだんだん動きに反応で きて調子的にも上がっていると思うので、これからミットでスピード重視に持っていこうと思います。まだバリバリ選手を頑張っていかないといけないので、 “まだまだこれから”というところを見せたいと思います。』