2018年01月19日 北野克樹がWBCムエタイ日本統一王座戴冠!

キックボクシング ムエタイ ニュージャパンキックボクシング連盟 NJKF。2018年01月19日のニュースです。

2018年01月19日ニュース

北野克樹がWBCムエタイ日本統一王座戴冠!

01月14日、大阪・旭区民センター大ホールで誠至会主催興行『NJKF 2018 west 1st』が開催された。西日本本部としてはもちろん、連盟としても今年初の興行となるこの興行はメインでWBCムエタイ日本統一スーパーライト級王座決定戦、セミでNJKFフェザー級王座決定戦と2つのタイトルマッチが組まれた。
メインのWBCムエタイ日本統一スーパーライト級王座決定戦を争うのはNJKF同級王者でWBCムエタイ日本同級1位の北野克樹とWBCムエタイ同級3位(NJKF同級1位)の畠山隼人。昨年もコンスタントに試合をこなし、07月にはNJKF王座を獲得。11月にはホーストカップに出場し多くの日本人に勝利しているタップロン・ハーデスワークアウトジムを下すなど実績を挙げており、波に乗る。一方の畠山は昨年、2年ぶりの復帰戦から2連勝とこちらも好調。類い希な反射神経と身体能力で驚きのKOを見せる北野が地元でベルトを巻くか、敵地に乗り込んだ畠山が自慢の強打で初タイトル獲得か、注目のカードとなった。

試合前半はパンチで出たい畠山に対し、北野は距離を取ってミドルや前蹴りを連発。畠山はチャンスがあれば左右のパンチを繰り出して詰め、組めばヒザ蹴りを出すが、懐深く構えて蹴りを放ち、時にはバックキックや左右のハイを連発するなどトリッキーな動きも見せる北野の前にペースを掴むことができない。北野は2R後半には笑みを浮かべて挑発するようなステップを見せ、ラウンドが終了すると大きく手を挙げてアピール。
3Rには陣営の「出ないと打てないぞ!」という声を背に畠山がパンチで出て挽回を図るが、局面の打開には至らず、逆に北野の前蹴りで大きく吹っ飛ばされる場面も。このラウンド終了の時点でアナウンスされた採点は、30-27、30-28、30-29でいずれも北野。後半のラウンドも同様の展開となったが、4R終盤に畠山がボディをヒット。畠山は5Rにもボディを当て、北野はやや失速。それでも最後まで多彩な蹴りで応戦して試合ペースは握り続け、試合終了。50-48、50-48、49-47と3-0で北野が制し、キャリア2本目のベルトを獲得した。

試合後、WBCの緑のベルトを腰に巻き、NJKFベルトを肩にかけてマイクを握った北野は「4Rのボディがめっちゃ効きました」と苦笑いするも「これで日本一になったので、この先は世界と闘っていきたいです」とアピール。興行後には「蹴りで距離を取ってパンチをもらわないようにして、チャンスがあれば倒そうという作戦でしたが、畠山選手がタフでした。この先は世界の強豪とも闘いたいし、今年はKNOCK OUTで自分と同じ階級のトーナメントも始まるので、そういう舞台にも出ていきたいです」と意欲を見せた。

セミファイナルのNJKFフェザー級王座決定戦では、同級1位のtatsu魅と2位の小椋光人が激突。両者は昨年02月に対戦しており、3R判定でtatsu魅が勝利している。ともにランキングを一つずつ上げて、タイトルマッチという舞台での再戦は蹴りのtatsu魅かパンチで前に前に出る小椋か、初タイトルはどちらの手に!?
1R、いつものように前進しパンチを出す小椋に、tatsu魅は蹴りと組んでのヒザで応戦しつつ、パンチでも渡り合う。パンチからヒジも出してくる小椋にtatsu魅の左ミドルがヒットし、ややtatsu魅優勢かという状況でゴングが鳴る直前、tatsu魅のヒジがヒット。離れた瞬間、大量の血がリングに滴り落ちた。小椋陣営はインターバルに止血を試みるも傷は深く、2Rが始まっても出血は止まらない。すぐにドクターチェックとなり、レフェリーが試合をストップ。tatsu魅が衝撃的なTKO勝利でベルトを巻いた。
試合後のtatsu魅は「1R、先に相手にヒジを出されたので、『得意技はヒジ』と書いている以上ヒジで勝たないとと思って出しました。前に前に来ることは予想していて、流れの中で技を出していこうという作戦で、特にヒジを狙っていたわけではないんですが、1R終盤までヒジを出していなかったので出したらキレイに入った感じですね」と試合を振り返り、「前王者の新人(あらと)選手と防衛戦で当たると思ってたんですが、彼がWBCを獲ったので、いつの日かそこに辿り着きたいです。また他団体にも出て、実力を見せていきたいですね」と今後の希望を語った。

セミ、メインともに地元・大阪で叩き上げてきた選手たちが勝利し、ベルトを巻いた。倒す大技をいくつも持つ北野、ムエタイスタイルにこだわりを見せるtatsu魅と新王者はどちらも個性の際立つ有望株。両者が希望する「より上の舞台」で大阪の、関西の強さをアピールする日はそう遠くないことだろう。
(写真&レポート:高崎計三)