2015年12月09日 羅紗陀 復活インタビュー!

キックボクシング ムエタイ ニュージャパンキックボクシング連盟 NJKF。2015年12月09日のニュースです。

2015年12月09日ニュース

羅紗陀 復活インタビュー!

2016年02月21日(日)に東京・後楽園ホールで開催される『NJKF 2016 1st』において、羅紗陀(キング/元WBCムエタイ日本統一スーパーフェザー級&ライト級王者)が右足腓骨の骨折から2年ぶりの復帰を果たす。選手生命を絶たれてもおかしくなかった大怪我、そして引退との狭間で揺れた葛藤を乗り越え、再びリングに向かう羅紗陀が胸のうちを語る!

 

羅紗陀 

――ちょうど2年ぶりとなる復帰戦が来年02月興行で決定しました。まず怪我をした時の状況から振り返って教えてください。
羅紗陀 『脛骨、脛の骨の太い部分がパッキリ横に折れちゃって。KO負けした瞬間は次のタイトルマッチに出られないっていうことで頭がいっぱいになって、何が起こってるか分からなかったです。抱きかかえられて控え室に行ったんですけど、もう悔しくて。打撲なのか腱がおかしくなったのか、さすがに骨折してるとは思わなかったので、“俺こんなに弱かったかな”って思いました。打撲とかの痛みなら、こんな風に負ける訳がないので。腱が切れちゃったのかなとかいろいろ考えたんですけど、でも結局骨折だったので仕方ないなと思いました。』

 

――試合の後はどのように?
羅紗陀 『救急で病院に運ばれて、骨の中に長い穴を開けて、その中にボルトを入れて固定する手術をしました。そうすると次第に割れ目の部分がなくなって、最後に中の空洞も埋まっていくみたいです。』

 

――術後の経過を教えてください。
羅紗陀 『今のリハビリってもう手術の翌日から始まるんです。手術した次の日にはもう足を動かしてくださいとか言われて、でもメチャクチャ痛いし無理なんです。なので叫びながらやっていました(苦笑)。最初は車イスで、松葉杖を使えるようになったら退院するって言われて、2週間ぐらいで退院したと思います。その後は家の近くの病院へリハビリに通って、徐々にその回数を少なくしていって。リハビリは最初は松葉杖の使い方から、足首を動かす膝を曲げるとか、そういう風に少しずつ、痛みがあったので我慢しながらやっていきました。』

 

――松葉杖を使う生活が長かったのではないですか?
羅紗陀 『長いですね。半年とかそれぐらい掛かって、片手だけ松葉杖になって、最終的に松葉杖なしで歩けるようになったのは冬あたりだったと思います。』

 

――この頃はジムには顔を出していたんですか?
羅紗陀 『この時は顔を出していないですね。家にいました。試合も見てないし、そこから引退するか復帰するかを考え始めて、それからが長かったです。ずっと悩んで、ほんとにやりたいと思ったらやろうと思っていました。でもなかなかほんとにやりたい、本気でやりたいっていう気持ちが出てこなくなってしまって。家庭も仕事もあるし、それで生活もできますし。足が治ってからコーチはずっとやっていたんですけど、結構悩みました。』

 

――走れるようになったのはいつからだったのでしょうか。
羅紗陀 『最初は全然できなくて、痛くて歩くのが精いっぱいみたいな感じでした。ボルトを膝から入れたんですけど、そこが硬くなっちゃって、全然膝が曲がらないんです。だからリハビリに通ってよかったです。痛みと硬さがあって全然動かなくて、でも今は正座もできます。』

 

――怪我をする以前と比べ、足に違和感はありますか?
羅紗陀『だいぶ無くなってきています。というか、無くなったと思います。』

 

――復帰に関してはコーチをしながら徐々に気持ちが傾いていった感じでしょうか。
羅紗陀『練習はしていたんですけど、なんか気持ちが乗らなくて、ずっと悩んでいました。悩むとやっぱり体調も悪くなるもんで、体調を崩したりもして。やっぱり人間にとって悩みってほんとよくないなと思います。ジムにもずっと行かなくなったりして、それで最後のワガママみたいな感じで、タイ修行へ行って自分を取り戻したいって話を家族にして。それで3ヵ月間、09月から11月までタイに行っていました。試合はなしで練習だけです。久しぶりに動いたんでいろんなところが痛くなったんですけど、いろいろ勉強することがあって、たくさん学びました。それで学んでるうちにやりたいっていうか、引退することがもう頭から消えて、世界を獲りにいきたいなって思いました。』

 

――タイ修行を思い立ったのはどうしてだったのですか?
羅紗陀『やっぱり環境を変えて、自分一人だけになって考えたかったんです。嫁とか会長とかいろんな人が周りにいるじゃないですか。そうすると誰の気持ちなのか分からなくなるし、やるなら本当に自分の気持ちでやりたいっていう風にしたかったので、そのために自分一人の環境に身を置きました。周りの言葉を聞いていると、俺やりたいのかな、でも周りが言ってるし辞めた方がいいのかなとか、分からなくなってしまうんです。だからタイに行って、自分と会話して決めた方がいいなと思ったんです。』

 

――しっかり自分と向き合った上で出された答えなのですね。では、現時点での調子はいかがでしょうか。
羅紗陀『気持ちはほんとに現役生活の中で一番上で充実しています。目標に向かっての気持ちがすごい強いというか。蹴りも今までの中で一番強くなってます。すごく自信があるし、練習をしていても「すごく強くなった」ってみんなに言われてます。あとはスタミナをつけて完璧に仕上げればと思います。これから試合まで目いっぱい追い込んでやります。』

 

――試合への意気込みを最後に改めてお願いします。
羅紗陀『まだ相手が決まってないので何とも言えないですけど、すごく楽しみです。よくブランクの影響とかって言われますけど、それは気持ちが上がっていれば関係ないと思うし、俺復帰戦にはメチャクチャ強いんで覚悟しておいてください。』