NJKFフェザー級王者 大田拓真 インタビュー②

6月2日、東京・後楽園ホールで行われる「NJKF CHALLEGER 2024 3rd」でカンボジア・クンクメールとの対抗戦に臨み、東南アジア競技会=SEA Games(SEAG)ボクシングで金メダルも獲得しているオウ・テリットを迎え撃つ大田拓真(新興ムエタイジム)。ミドルや首相撲を得意とするムエタイスタイルだが、コロナ禍に組みやヒジを制限されるキックルールの試合に臨んだことで自身の成長があったという。ONE Championshipでボーナスを獲得し凱旋帰国となる大田が、次戦でのKO勝利に燃える。

――今は近距離と離れた距離での攻防をどちらもバランスよく練習しているのですか?
大田 そうですね、今はバランスよくどっちも練習しています。遠くから速く入って打つ元からの自分のやり方に、近いところでパンチ・ヒジ・ヒザとコンビネーションを混ぜた練習をしています。とにかくパンチが苦手だったのでキックの時にすごく練習して、少し教えてもらったりはあったんですけど、基本的にはボクシングの動画を見たりして“こんな感じかな”って自分で考えながらやりました。それが今も使えてる感じがします。ただ練習だともっとしっかり打ててるんですけど、試合になるとまだ変になっちゃいます。

――フェザー級はもう体に合ってきていますか?
大田 前は無理やりフェザーに上げたので力不足があったんですけど、今はいい感じです。以前は重いのを持ったりもしていたんですけどちょっと違うなと思って、今は懸垂とか腕立てとかの自重系ばっかりです。今は打ち方とかでパワーをつけた方がいいっていう考え方になってます。

――大田選手は以前より戦いに迫力や攻撃力が増して感じられ、肉体的な充実を感じます。
大田 ONEに出てくる外国人選手は同じ階級なのにすごく体を強く感じて。日本の選手とは質が違うっていうか、ONEでやった2人は首相撲でもすごく強く感じたんです。体の強さ、力の強さというか、それはすごく感て、そんなに太くは見えなのに、グッと力を入れた時のパワーがすごくある印象でした。

――やはりそれだけ入念にフィジカルトレーニングも積んできているのでしょうか。
大田 そこはもう骨格な感じがします(苦笑)。ONEに出ている日本人の選手が今いっぱいいますけど、負けちゃってる選手はそこでビックリしているのかなっていう感じがします。相手がいつもだったら倒せているのに倒れない、いつもはないのに圧で押されちゃうっていうのは自分も最初に出て感じたところで、“やっぱり体強いんだな”っていう感じがしました。

――そこはONEのような国際戦の舞台で強く感じるところなのですね。
大田 最初の時はもう反省と発見ばっかりでした。だから2戦目はそこら辺を気をつけて、そういう人たちと戦う時はパワーで行くっていうよりスピードだったりテクニックで行こうと。パワーでも負けないように練習はしてますけど、パワーではあまり戦わないようにしました。ONEでの初戦は自分的には反省点だらけで、いっぱい発見もあったんですけど、勝って反省できてよかったです。2戦目も勝てて嬉しいより、この先の“ヤバい”っていう怖さがあって(苦笑)。でも、その怖さがあるので、今もしっかり練習しています。

――そういった中で、今回クンクメールのオウ・テリットを迎えます。
大田 結構ガツガツ来る選手だなって。映像を見たらパンチと首相撲、ヒジを狙ってる感じでした。クンクメールの選手はハイライトを見たら全体的に前に出て、ヒジと首相撲が多い印象があります。荒っぽい感じというか。でも首相撲では負けないようにしたいし、どんな展開でもしっかり対応していきたいと思ってます。

――オウ・テリットも映像を見ると荒々しく攻めてくる感じがあります。
大田 だから前回のONEと同じ感じになるかしれません(苦笑)。パワーが強いと思っているので、スタミナとかそっち面は落ちないようにしたいし、パワーに圧倒されないよう、テクニックだったりそっちでしっかり対処できればと思ってます。

――今回はONEでいい勝ち方をして注目される中での試合になりますが、最後に意気込みやメッセージをお願いします。
大田 今回は注目してもらっているので、やっぱりKOで勝ちたいです。どの攻撃でも倒せるように練習しているので、“これでKO”っていうのは決めていないんですけど、最後はしっかり倒したいと思っています。