NJKFフェザー級王者 大田拓真 インタビュー①

タイ・バンコクのルンピニースタジアムで行われたONE Championship「ONE Friday Fights 59」(4月19日)において、NJKFフェザー級王者・大田拓真(新興ムエタイジム)はコプター・ソーソンマイ(タイ)に2R KO勝利。右ヒジを決めての劇勝で35万バーツ(約150万円)のボーナスも獲得した。これで昨年9月に続きONE2連勝。大田がONEでの戦いを振り返る。

写真提供©️ONE Championship

――ONE Championshipでの試合から1ヵ月となりますが、KOで勝利しボーナスも獲得しておめでとうございます。
大田 ありがとうございます。やっぱりタイ人はガチだなって思いました(苦笑)。

――決着は2Rでしたが、初回から激しい展開となりました。
大田 首相撲の選手だと聞いて最初はあまり来ないだろうと予想していたので、序盤はどんどん蹴ってパンチも散らして削って、最後に何でもいいから倒せればと思っていたんですけど、1Rからガツガツ来て。思ったより来るので、自分が思っていた展開とはいきませんでした。

――相手がアグレッシブに来たのは、それはやはりONEという舞台がそうさせたのでしょうか。
大田 それもあると思います。タイでONEはすごく有名で、勝ち上がっていけばお金もすごくなるし、タイ人はお金の面でムエタイをやっているので、本気度が違うなっていうのを感じました。

――それだけタイ人を強い意気込みで臨ませる舞台なのですね。
大田 他の場所では“コイツぶっ倒して勝ってやる”っていうのはあまり見られないんですけど、ONEに出ているタイ人は“コイツを倒して成り上がってやる”みたいな気持ちを感じます。

――それをして最初の「ガチだな」という言葉に繋がるのですね。
大田 気迫を感じました。ONEに出ているタイ人は全体的にそう見えます。タイでもデカい、誰もが見ている大会なので、友達だったりジムの人たち、周りの応援も多いと思うんです。それもあって、いろいろ背負ってるものがある感じがしました。

――ONEのムエタイはオープンフィンガーグローブでの戦いになります。この違いはいかがですか?
大田 戦い方が変わるっていうか、全然感覚が違います。

――いつもだとブロックしたり防げているものが、漏れて入ってきたりする?
大田 そうですね、ちょっと見えづらい感じがします。距離が近いっていうのもあるんですけど、グローブが小っちゃくてパンチが速いので、ガードの反応が間に合わなくてもらっちゃうことがたまにあります。逆に自分が当てやすいのもあります。

――当たった時の感じはどうですか?
大田 もらったら少し痛いです。なんか硬いもので殴られた感じがして、ジャブでも全然痛い感じです。今回は比較的もらわなかったので顔は腫れなかったですけど、前回は腫れました。やっぱり痛さはデカくて、なんか意識がそっちに行っちゃいそうです。

――ONEでの2試合はともに激闘でしたが、これは自身で意識しているところがあるのですか?
大田 前は上手さを見せたい感じで“いなす”っていうのを重視だったんですけど、やっぱり盛り上げるには“倒す”っていうのも大事だなと思って、どんどんスタイルを変えていきました。最初はちょっと上手くいかなくて悩んだんですけど、最近はテクニックを使いつつ激しさも入れて、それがマッチして上手く戦えてるのかなっていうのはあります。

――いつぐらいからそういった意識の変化があったのですか?
大田 キックに出てからです。コロナの時にあまり大会がなくてKrushとかBigbangに出させてもらって違う競技を見て、こういう戦い方もあるっていうのを知ってからだと思います。

――ONEでの激戦に対応できているのは、異なるスタイルのキックに対応してきた経験があったからでしょうか。
大田 最初は対応できなかったんですけど、そういう戦い方を知って練習でもどっちもできるように取り入れるようになりました。自分が苦手な近い距離だったり詰めていく攻撃をすごく練習して、キックの時はそっちばっかり練習して少しおかしくなっていたんですけど、今はどっちもマッチさせて、上手くハマっている感じがします。